
手話を習っている人たちから寄せられる質問で「手話は、一つの言葉(日本語)の表現が多いので覚えるのが大変。どうすればいいのか」というのがあります。
例えば、「出る」。これだけでも、いくつかの表現があります。
・家を出る。
・テレビに出る。
この二つの日本語を比較すると、確かに日本語としては「出る」という言葉は変わりないです。
しかし、手話に置き換えると、「出る」の部分の表現が変わります。
これが学習者を悩ますところですが、逆に日本語もいくつかの表現があります。
例えば、「私」。手話なら、人差し指一本で自分のことを指すだけで完結します。
ところが、日本語だと、僕、わし、わて、俺、うち、自分、等いくつかの表現があります。
これが(日本語を主な言語として使用しにくい)聴こえない人を悩ますところですが、
逆に考えてみると、言葉は一つだけではない、ということに気付くと思います。
言葉は一つだけではない。
世の中にいろいろな人がいるように、言葉も時代や社会の変化よって変わってきます。
一つ以上を覚えることは大変ですが、一つ以上のことを知ることは、必ず後の学習の成果が表れてくると思います。
言葉を知ることは、その言葉を使う人の世界や背景を知ることにもなります。
きっと言葉の向こうには、おもしろい発見が待っているかもしれないですね。