巷では新しい手話に関する本が出ています。
私もレッスンの中で、新しい手話を紹介することがあります。学習者にとっては「どうして新しい手話があるのか」「誰が作って、どうやって広まっているの?」と不思議に映るようです。
シンプルに答えると、激動する社会の中で、新しく出てくる用語(日本語)に応じた手話として、新しい手話が生まれます。
それに関連する書籍も出ており、社会福祉法人全国手話研修センター日本手話研究所にて新しい手話を研究、協議、確定する作業が行われています。
この他に、ろう学校の中やコミュニティの中で通じる手話として、新しく作られることもあります。
日本語と手話は別の言語であるにもかかわらず、新しく生まれてくるのが不思議と思う方もいらっしゃいますが、おそらく、国内では日本語を介して情報を発信したり、受信したりすることから、
効率良く日本語の概念を伝える手段が必要になったからでしょうか。
一方で、「新しい手話を覚えても意味がない」「分かりにくい表現になっている」という声もあります。
新しい手話の特徴の一つに、指文字を混ぜ合わせて表現するものもあります。
また、手話の単語を二つ以上に結合したものも。
手話表現において、柔軟に受け入れられるもの(使いやすい)は瞬く間に広がりますが
そうでないものは机上の空論ならず本上の空論になりやすいところがあるような気がしています。
ここで大切なことは、手話にしても日本語にしても、コミュニケーションの基本は、「相手が分かるかどうか」にあるかもしれないですね。
新しい手話を使うべきとか、古い手話を大切に残すべきなどの方法論より、
相手に伝えるための方法をいくつか持っていると、より伝わりやすくなり、
コミュニケーションの醍醐味を感じることが増えるのではないでしょうか。
今日も手話教室の中で、試行錯誤しながらコミュニケーションをとる姿が見られています。