人を呼ぶ時は、たいてい声をかけたり肩をたたいたりします(といっても、肩をたたくのはごく親しい間柄にある人に限定されるかもしれないですが)。
ろう者(耳が聴こえない人)を呼ぶ時に一番手っ取り早いのは、肩をたたくことです。これは手話を習っている人たちの間ではすでにご存知のことかもしれないですね。
それでもやはり、異性の人の肩をたたくのは抵抗がある...という意見も否めませんし、
ろう者の中でも「確かに聴者を肩でたたいて呼ぶよりも、声で呼んだ方が呼びやすい」という意見を持っている人もいます。
当法人の事務所には、ろう者もいれば難聴者、聴者もいますので呼び方を注視してみると、多様な方法があることに気付かされるのです。
ある人は、手を大きく振りかざして相手の視野に入るように工夫する。
ある人は、机をバーンと叩いて、一斉に振り向かせるようにしている。
ある人は、階段に上るろう者を呼ぶために電気をパチパチとつけたり消したりする。
ある人は...
といった具合に、多様な方法があり、時々、「音が聞こえる」聴者をびっくりさせます(すみません)。
ろう者と聴者を比較したとき、「耳が聴こえるか聴こえないか」という身体上の違いだけが出てくるのですが、
生活や行動様式がかなり影響を受けているので、文化的な視点から捉えると結構おもしろい発見が出てきます。
手話を学ぶ上で、こういった違いを知ることも異文化理解につながるのではないかと思いますが、どうでしょうか。