私は耳が聞こえます。
聴こえる人間にとって、「静か」と「うるさい」とはどのようなことをいうのでしょうか。
当たり前ながら、音がなく静けさがひろがる空間を「静かだ」と感じます。
または誰もしゃべっていない時も静かと感じるでしょうか。
一方、「うるさい」と感じるのは、やかましい音が鳴り響いていたり、
複数の人が大声で話をしていたりするときに感じますよね。
手楽来家に初めて来た耳の聞こえる方は、
この空間を「静か」と感じることが多いようです。
それは、手話での会話によって、声を聞く場面が
手楽来家を一歩出た外の世界に比べて、少ないからだと私は思っています。
では、耳の聞こえない人にとって、
「静か」や「うるさい」ということはあるのでしょうか。
手楽来家に来る耳の聴こえない方は、
皆さんこの空間をいつも「静か」と感じているのでしょうか。
実際は違うようです。
耳の聞こえない方にとっての「うるさい」とは
音の有る無しではなく、
「振動」だったり「目に見えるやかましさ」だったりするようです。
(もちろん私の想像も含まれています…)
テーブルを強く何度も叩いて振動を感じたり、
多くの人が狭い空間をせわしなく行き来したりしている光景は
「うるさい」と映るのかなと思います。